分かり難い会社の退職給付制度!!図で考えたらうまく理解できた。

会社の退職給付制度とは?

会社の退職給付制度って本当に分かり難いですよね。。

退職給付制度と聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、

①退職時に貰える退職金(正確には退職一時金という)

企業年金(正確には企業年金基金の年金*)

の2つをひっくるめて退職給付金と呼ぶと考えてください。

(*注)よく、年金制度は3階建てと表現されますが、ここで言う②の企業年金は、年金構造の3階部分のみを指します。1階部分の国民(基礎)年金と2階部分の厚生年金は”国”の年金制度ですので、”私企業”の年金制度である②企業年金とはまったく別物です。

会社員の年金制度

https://www.hokende.com/static/pension/features/business/1/

会社の退職給付制度を図にしてみた

さて、話を退職給付制度に戻しますが、図解するとずばりこんなイメージだと思います。

退職給付制度

棒グラフの縦軸がもらえるお金の規模、横軸は時間の経過と考えてください。

入社以降、給付金の金額がどんどんと積みあがっていき、退職時に一時金としてもらえる部分と、退職後に年金としてもらえる部分があると考えると分かりやすいですね。

会社の退職給付制度の構成要素

退職給付は、おおきく3つの要素から構成されています。

緑色の退職一時金(A)

これは、退職した時にもえらるいわゆる退職金の部分ですね。

厚生労働省によると、大学卒(管理・事務・技術職)の平均退職一時金は2156万円(平成25年度)ということです。

自営業の方にこの退職金制度はありませんから、退職金制度は会社勤めで良かったと思える点ではないでしょうか。

オレンジ色の企業年金基金の確定給付年金(B)

退職後に年金としてもらえる部分です。

終身年金(長生きする限りもらい続けられる)でもらうか有期年金(一定年数で受給が終了)でもらうか、年金の受け取り方も自由に選ぶことができます。

将来受け取る企業年金の原資は、会社とは別に外部積立されているため、仮に会社が倒産したとしても企業年金に積み立てられた資産はきちんと分配されることになります。この点も安心ですね。

緑色(A)+オレンジ色(B)を退職手当金と呼ぶ

退職手当金にかかる原資は全て会社が拠出(負担)し、積立て、管理してくれている、というのがミソです。

会社が自分のために毎年コツコツ積立をしてくれているのは、本当にありがたいことです。

(A)緑色の退職一時金は、退職時の役職、勤続年数、個人評価、などによって最終的な金額に個人差が出てきます。

(B)の確定給付年金は、企業が独自に設定する企業年金です。企業ごとに千差万別ですが、毎月数万円程度から10数万円程度の金額を企業が従業員のために積立してくれていることになります。私の企業では、企業年金基金に積立された原資が、「10年国債3年利回り+1.0%(最低1.0%最高4.5%で1年毎に見直し)」という一定のルールに基づいた利回りで運用してくれています。(ちなみに去年度は1.9%です。)

超低金利の世の中で、1%超の運用益を毎年出し続けるのはかなり至難の業で、1部上場企業でも企業年金の積立不足が話題になっているのは有名な話ですね。

赤色の企業年金基金の本人拠出年金(C)

赤色は、企業年金基金の本人拠出年金と言います。基本的には、オレンジ色と同様に退職後にもらえる年金を積立している部分になります。

オレンジ色の確定給付年金(B)と大きく違う点は、この本人拠出年金(C)の部分は、その名前の通り、自分の自腹で積み立てている部分という点です。

「え?自分で(企業)年金を積み立てているの?」と思われるかもしれませんが、この部分は毎月の給与より企業年金基金掛金として天引きされていいます。(私の場合、現在毎月3000円程度天引きされています。)

また、この本人拠出年金もオレンジ色の確定給付年金(B)と同様の運用利率で運用されています。

会社の退職給付制度のまとめ

退職給付制度

退職時に貰える退職金一時金

緑色の退職一時金(A)の部分ですね。退職金原資の拠出は会社から、運用も会社です。

退職後に貰える企業年金基金の年金

この部分は(B)+(C)2つの要素からなっていて、

オレンジ色の企業年金基金の確定給付年金(B)については、年金原資の拠出は会社で、運用も会社(企業年金基金)でした。

赤色の企業年金基金の本人拠出年金(C)については、年金原資の拠出は自分(給与天引)で、運用は会社(企業年金基金)でした。

このように、運用を企業側で行ってくれており、しかも利回りをある意味で保証してくれているため、企業型確定給付年金とよばれています。

企業が、給付(年金原資)を確定(保証)してくれるから、企業型確定給付年金、ですね。

企業年金の積立額を確認してみる

企業年金の積立額については、勤め先の企業年金基金ポータルサイトなどで年度末の積立状況が確認できます。私は2014年度末の時点で、

(B)部分で147万円 + (C)部分で26万円  の合計173万円が企業年金基金に積立されていることを確認できました。

実は、この話には続きがあります。私の会社でも、退職給付金制度の一部改訂が今年の後半から行われるとのこと。いよいよ確定拠出年金制度の始まりです。

確定拠出年金制度についてはまた日を改めて報告したいと思います。。。

注意事項

今回の退職給付制度は、あくまでも管理人が勤める会社の例となります。

退職給付制度設計は会社によって様々ですので、ご自身でご確認されることを強くおすすめいたします。

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